臨床検査室
はじめに
臨床検査室で行なわれる検査は大きく分けて2つ、血液や尿を調べる検体検査と心電図や超音波検査(エコー)などの生理機能検査です。検体検査の項目は、約3,500余(一部外部委託)を処理しています。 院内検査の場合は採血から約1時間での報告が可能です。では、検体検査と生理機能検査についてご紹介しましょう。
スタッフ紹介
臨床検査技師 7名
(令和5年10月1日現在)
臨床検査室のご案内
検査受付・採血室
検査受付は、採血・採尿のほか、心電図・超音波検査等の受付を行っています。
採血を受ける患者さんに対しては不安を取り除き、快く受けられるように日々努めるとともに、手袋を着用するなど感染対策にも注意を払っています。
ご不明な点がございましたら、お気軽にスタッフまでお尋ねください。
検査室全景
検査室内には、検査の目的によって使い分ける様々な検査機器が設置されています。検査結果は、臨床検査技師が確認してから医師のもとへ報告しています。信頼できる検査結果を報告できるように、日々の業務に取り組んでおります。
コンパクトな検査室ではありますが、新しい検査や技術を取り入れ、様々な検査に対応できるよう努めています。
生化学検査
血液や尿の中に含まれているタンパク質・糖・電解質・酵素など、さまざまな成分を自動分析装置を用いて測定しています。
肝臓機能や腎臓機能、血糖や脂質などの病気の診断や治療の判定、病状の経過観察に欠かせない重要な検査です。
血球計数検査
血液は、人の体重の8%を占めており、全身を循環して体のすみずみに酸素や栄養素を運ぶと共に、二酸化炭素や老廃物など体の細胞から不要な物を受け取って体外に運ぶ役割を果たしています。
血液中に含まれている赤血球や白血球、血小板といった細胞成分を用いて測定し、貧血や白血病、感染症などの診断に不可欠な検査です。
尿検査・ヘモグロビンA1c検査
尿一般検査:写真左奥の装置
尿検査には、尿定性検査と尿沈渣(ちんさ)検査があります。
尿定性では、尿中に糖や蛋白、赤血球等が出ていないかを調べ、尿沈渣では、顕微鏡を用い、尿中の細胞や菌の種類・数を調べることにより、腎臓や尿の通り道の状態等を知ることが出来ます。
HbA1c:写真右手前の装置
HbA1c(ヘモグロビンA1c)は、検査前1~2ヶ月の血糖の平均を知ることが出来るので、数ヶ月周期の血糖コントロールの指標に優れた検査の1つとなっています。
血液ガス分析
私たちの体は、呼吸を通して体内に酸素を取り入れ、体外に二酸化炭素を排出しています。これをガス交換といいます。病気などで、このガス交換の働きが低下すると、体の中が酸性やアルカリ性に傾き、昏睡、痙攣などを起こし、命に危険が生じます。
早期に、このガス交換の状態を把握し、診断、治療をするために必要な検査が血液ガス分析です。
輸血関連検査
輸血は、事故や手術などで出血し体内の血液量が減った場合や、貧血によって体の組織へ酸素を運べなくなった場合、また出血を防ぐ為などに行なわれる治療ですが、誤った血液型の血液を輸血してしまうと、重篤な副作用を生じることがあります。
輸血検査は安全に輸血が行われるように、輸血する血液が患者さんに適合したものかどうか調べる検査です。
心電図検査
心電図は、心臓の細胞から発せられる微弱な電気信号を、波形で表現したものです。脈が一定でない、胸が苦しい、締めつけられるなど、不整脈や狭心症、心筋梗塞を判断するための検査です。
その他に、24時間携帯型のホルター心電図、階段を昇り降り後に検査をする運動負荷心電図などもあります。なお、検査時に痛みはありませんのでご安心ください。
超音波検査
超音波は、人間が聞くことの出来ない領域の音です。機械から発信された超音波は体の内部で反射され、その信号を画像で表現します。山のこだまと同じです。検査部位は、腹部・心臓・甲状腺・乳腺・頚動脈など多岐にわたり可能です。腫瘤性の病変や心臓の動き、血液の流れなどを評価します。なお、検査にはそれぞれ特徴がありますので超音波検査だけでなく、ほかの検査を合わせて診断されます。